【子どもの話を聴くときは】即実践!教職員向け傾聴研修プログラム(ダウンロード)

「子どもの話を聴くときは」という詩をご存知でしょうか。

話の聴く際に大切にしたいポイントが整理されており、私の中では「傾聴の教科書」として認識しています。

このコラムでは、この詩を活用し、10分間から実施できる「傾聴」をテーマにした校内研修をご提案します。ぜひご活用ください。

このコラムは、チーム「子どもの話を聴くときは」の承諾を得て作成しています。

内容が理解しやすいように、理論的背景を省略しています。
詳しく学びたい方は、最後に紹介している書籍を参照願います。

このコラムは約3分で読めます。

目次

1 詩「子どもの話を聴くときは」

東日本大震災後、不安や焦りを抱える子どもや大人のために、阪神・淡路大震災の経験から作成された「兵庫県教育委員会 防災マニュアル」を劇作家の篠原久美子さんが、人々の心に届きやすい詩にしたものです。

ぜひ、下記の動画で根岸さんによる朗読をお聴きください。

子どもの話を聴くときは

兵庫県教育委員会 防災マニュアルに基づいて

朗読(約5分)

文:篠原久美子
朗読:根岸季衣
キーボード:浜浦巌
協力:佐々木健二
動画制作:北村淳一
企画:チーム「子どもの話を聴くときは」

子どもの話を聴くときは

兵庫県教育委員会 防災マニュアルに基づいて

文:篠原久美子

子どもの声を聴くときは、

教えてもらう気持ちでね。

一生懸命、耳傾けて、

教えてもらおう、子どもの世界。

子どもの世界の扉はね、

内側からしか開かないの。

信じるおとなに向かってね。

子どもの話を聴くときは、

じっくり、ゆっくり、ゆったりね。

言おうと思うと時間切れ、

中途半端は苦しいよ。

子どものつらさと言葉はね、

外に出るまで時間がいるの。

待ってる時間も、聴いてる時間。

子どもの話を聴くときは、

「聴いてるサイン」を伝えてね。

あいづちうって、うなづいて、

子どもの言葉を繰り返し。

不安な気持ちの子どもはね、

小さな合図で安心するの。

「ぼくをわかってくれてるな」って。

子どもの話を聴くときは、

途中で止めたりしないでね。

批判をしたりまとめたり、

言い聞かせないで、ただ聴いて。

おとなが口を開くとね、

子どもの口が閉じてくよ。

知りたいのなら、耳、開こう。

子どもの話を聴くときは、

瞳のサインをみていてね。

子どもはたいていおとなのね、

目なんか見ては話せない。

それでも分かってほしいとき、

瞳で合図を送ってる。

見逃さないで、みていてね

子どもの話を聴くときは、

顔の高さを合わせてね。

上から見下ろされるとね、

だれでもちょっと固くなる。

視線の低い子どもにね、

しゃがんで視点を合わせてね。

子どもが話しやすいから。

子どもの話に答えるときは、

声の調子を同じにね。

大きな声や高い声、

おとなのイライラ伝わるよ。

子どもは意味を知らなくてもね、

声で気持ちがわかるんだ。

言葉が出にくくなっちゃうよ。

子どもの不安を聴くときは、

子どもの気持ちを感じてね。

「なぜ?」「どうして?」が、

問いつめに感じてしまうとき、あるの。

子どもの心配、不安はね、

「不安なの?」って繰り返してね。

答えは、一緒に考えて。

子どもの不安を聴くときは、

すぐに原因、決めないで。

「地震のせいだ」「性格だ」、

決めてもそれは答えじゃないの。

子どもを取り巻く世界もね、

子どもの心も 単純じゃない。

広く大きな視野で見て。

子どもの悩みを聴くときは、

子どもの力を信じてね。

しっかり聴いて、じっくり支え、

いろんな見かたのアドバイス。

だけど最後は子どもがね、

子ども自身で解決するの。

おとなが信じた子どもはね、

乗り越えられるよ、大丈夫。

この詩のPDFは、チーム「子どもの話を聴くときは」のWebサイトからダウンロードできます。

↓ ↓ ↓

研修の講師として教職員のみなさんに「子どもの話を聴くときは」をご紹介すると、多くの方が感動し、涙を流されることもあります。

この詩がもつ温かさと力強さを、私自身もそのたびに実感しています。

2 研修での活用方法

次の2つのワークのどちらか片方、または両方(ワーク12)を実施します。

ワーク1:心に響いた言葉

教職員で朗読したり、動画の朗読を聴いたりして、感想をシェアリングするワークです。

所要時間:10分間

<準備>

  • 詩「子どもの話を聴くときは」のPDFまたは印刷
  • (必要に応じて)動画の音声が再生できるもの

<やり方>

  • 詩「子どもの話を聴くときは」を配付する
  • 詩の朗読、または動画音声の再生(5分)
  • 二人一組で「どの言葉に、一番こころが動いたか?その理由は?」を伝え合ってもらう(2分)
  • 教職員2〜3人から、発表してもらい、拍手(2分)
  • まとめ(1分)
    「まずは、誰か一人の児童生徒に、いま選んだ言葉を意識して、話を聴いてみてください」

職員会議の終わりの10分間で、簡単に実施できます。

ワーク2:聴いてもらう体験

朗読を聴いた後に、簡単な傾聴訓練をするワークです。

所要時間:20分間

<準備>

  • 詩「子どもの話を聴くときは」のPDFまたは印刷
  • (必要に応じて)動画の音声が再生できるもの
  • 傾聴訓練のスライド印刷
    PDFのダウンロードはこちら

<やり方>

  • 詩「子どもの話を聴くときは」を配付する
  • 詩の朗読、または動画音声の再生(5分)
  • 傾聴訓練のスライド印刷を配付する
  • 「ここ最近で、あなたが頑張ったと思う出来事」について、全員がそれぞれ絵を描く(2~3分)
  1. 二人一組で、聴き手と話し手の順番を決め、聴き手の傾聴訓練を行う(2分半〜3分)

    ここで、詩「子どもの話を聴くときは」の聴き方を意識してもらいます
  1. 話し手の強みを2〜3個、聴き手からフィードバックする、拍手(1分)
  1. 交代して、上記❺❻を繰り返す
  1. まとめ(1分)
    「みなさんの今感じているうれしい気持ちを、ぜひ児童生徒にも届けられるように、明日からも一緒にがんばっていきましょう」

「傾聴訓練」を実施していますが、実は、その目的は「聴く力」を高めることだけではありません

もっとも大切なのは、教職員自身が「聴いてもらうことの喜び」を体感することです

このワークを通して、教職員同士の関係性がより良くなることも少なくありません

このコラムでは、特別版として、詩「子どもの話を聴くときは」をご紹介しました。

この詩が、多くの方の心に届くことを願っています。

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最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

PSYCLA サイクラ は、臨床心理学・心理学の理論・技法を、教育現場で活用しやすい形に再構成し、わかりやすい情報として提供しています。

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